きょうだい(FF16)

きょうだい
※拠点の皆はいわば家族でありチームですが、クライヴとジョシュアの血の繋がりをどう見ているのだろうかと考えたこばなし。メインはジョシュアとミドのやり取り。

ふたりが並んでいると少年期には随分とあった身長の差が縮まっていて。一緒に過ごせることが嬉しいからこそその頃には殆ど他の人には見せなかったちょっとした軽口を叩きあうことも見受けられるようになった。
ジョシュアも意外とここでは冗談を言うんだなとガブが目を丸くしながらジルに語りかけてきたことがあった。外の戦いは過酷で拠点内ではせめて和らぐ時があっても良いのだから。
わしの甥っ子たちは兄上と同じ目をしている、これ以上の喜びはないぞとバイロンが豪快に笑っていて。
ふたりを見ているとはじめてロザリスへ来た時を思い出すの。あの頃の楽しかった思い出の場所はなくなってしまっていてもすぐ取り出せるところにはあるの。別れは告げたけれど思いは残っているとはジル談。
見て見ぬふりを出来ないところも無茶をしようとするのもふたりともそっくりね…こっちの身にもなって欲しいわと、ともすればすぐ飛び出す兄を弟が支えそうした兄弟の姿をタルヤは時にはため息をそしてそっと口角を上げて見守っていて。
ディオンが出ていってから恋多きアスタがロズフィールド兄弟へうっとりとした視線を送るようになった。もっともその対象はまた変わるのであろうが。
ブラックソーン、カローン、オットー。シドと共に拠点を立ち上げる初期から居た彼らはジョシュアの兄とはまた異なる端正な顔つきと同じ青い瞳をじっと射抜くようにまず見つめた。

―確かに似ているな。

そしてクライヴが受け取ったというその身に宿る炎―その意思の強さを見出した。
グツはフェニックスに乗れたあの時が忘れられないらしい。そのことを思い出す度に興奮気味に話しながらもジョシュアが今どういう状況に置かれているのかその重さを受け止め、優しく拠点に迎え入れてくれた。
タブアンドクラウンの彼らはジョシュアの体調のことを常にタルヤとヨーテから聞きながらメニューを考えている。因みに言いつけたことを守らないなら…とタルヤに指示され食堂にはニンジンもぶら下がっている。
彼が眠っている間にクライヴから書物を好み詳しい弟だと聞いていた子どもたちは最初その周りをちょろちょろと。彼がその様子に気づき優しく微笑んで迎え入れてくれてからは。
ちょっとでも時間があると分かるとジョシュアの元へこれを読んで欲しいと押し寄せるようになった。
ヨーテが小さい子たちに手を引かれて連れていかれる主にほっとした表情で見送る姿も見られるようになった。
ヴィヴィアンはさらに情勢や歴史について語れる相手が増えたことを歓迎していて。
ハルポクラテスからもかつての師の教えを受け継げる弟子となれる、疑いようもない素質が彼にはあると高い評価を下された。

(血の繋がりかあ…)

ミドが地下の工房にて設計図とにらめっこしながらぼんやりとふたりのことを考えていた。
自分とシドにとっての繋がりはミスリル含め残された設計図もひっくるめて受け継がれたものすべてだとそう思っている。血が繋がっていなくても自分の才能を見出したのも教えてくれたのも育ての親であるシドだ。そうでなければエンタープライズは完成までの運びとならなかった。シドがミドの手紙を拾って渡した時すごく喜んでいたとクライヴから聞いていた。
ここに保護されて間もない頃みずぼらしかったベアラーの姉妹たちが倉庫係のオルタンスがクライヴに取りに行ってもらうよう依頼していたノースリーチからの布地で見違えるほどの綺
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